魔力付与能力を持つ者が生まれた家は安泰だと言われる時代。貴族たちは魔力を付与された高価な宝石やアイテムを宝飾品やお守りとして、こぞって買い求めていた。貴重な魔力付与能力を持って生まれた姉妹、ジャクリーンとエリー。強い魔力を持って生まれたエリーを幼少のころよりいじめ抜き、暴君として君臨し支配していた姉のジャクリーンは、エリーに過度な魔力付与を強いて財を築いていた。そんなある日、エリーに二度と魔力が戻らない魔力枯渇の兆候があらわれる。利用価値のなくなったエリーはボロボロの状態で姉に打ち捨てられてしまう。絶望の淵に沈み生きる望みすら失ったエリーを優しく抱き上げたのはアーヴィンと名乗る公爵だった――。