「体を売る以外なら何でもします。仕事をください!」大正6年(1917年)、夫・亀八からの電報を受け、身重の体でアメリカ・シアトルへと単身渡航したマツ。渡米早々、亀八の事業が失敗し多額の負債をかかえたことを知らされるが、持ち前の前向きさでアメリカで働き借金を返済することを決意する。だが英語もしゃべれず乳飲み子を抱えたマツがそうやすやすと仕事に就けるわけもなかった――。働き口が見つからずやることもないまま中華系移民たちの差別反対のデモに加わっていたマツは、そこで知り合った中華系移民のリーダー、ワーチョンに働き口を斡旋してもらえないかと頼み込む。そこでワーチョンが発した一言が、マツの、そして娘、孫娘の人生までもを大きく変えることに――。(フルカラー作品)