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高校2年の春に医師から余命2年の宣告を受けていた千田原一花。それから3年、大学2年になった一花はいつ終わるともしれない命を抱えたまま漠然と過ごしていていた。そんなある日、以前想いを寄せていた元哲学講師・萬木昭史を見かけたことで一花の生の時間が動き始める。何も言わずに大学を去った萬木先生との再会を機に、精一杯のアプローチを試みる一花。しかし彼もまた不治の病を抱えていたことを知ってしまう。一花のために、自分から遠ざけようとする先生。困惑しながらも「それでもあなたと一緒にいたい」と懇願する一花。自身の病を隠しながら先生との距離を縮めていく一花だったが、余命僅かであることを彼に知られてしまい――。はかない生を歩む一花と、静かに消えていこうとする先生の、束の間の恋の物語。