前科者と保護司のナマな物語。「罪を犯してしまった」者や「道を踏み外した」者たち。現代日本において再犯防止を考えるのは、必須の課題だ。保護観察対象者の社会更生の支援をするのが、保護司である。保護司は法務省が委嘱する非常勤で無報酬の国家公務員であり、ボランティア。立場の弱い人間が抱える問題に、主人公である保護司・阿川佳代は真摯に対峙する。この巻で佳代が担当するのは老人へのオレオレ詐欺の受け子をした男・岩本。二十歳なのに人生にすっかりさめている。一方、佳代への淡い気持ちに気づいたみどりは岩本と恋愛ごっこを始めるが…!?