感情が止まらない!!冬目景先生が描くまさに”エモい”ロックバンド群像劇『空電の姫君』ってどんな漫画?

※再掲:2021年3月掲載の記事です。

表紙をめくると、めくる手が止まらない…
ふとした会話にも想いや感情がいっぱい詰まっていて、感情移入。
続きモノですがここから読んでも全然平気!

圧巻の、情緒溢れる丁寧な描写とゆっくり紡がれるヒューマンドラマ。
絶対読んでほしい冬目景先生が描くロックバンド青春群像劇『空電の姫君』を解説!
磨音と夜祈子の二人を中心にゆっくり物語は動き出す。
この漫画は表紙をめくった瞬間から惹き込まれ、まさに”没入”の作品です。
セリフ回し、景色、空気感、ライブの余韻、演奏の熱量すべてがノスタルジックに、でも心の奥底に眠る青春の香りを呼び起こします。
ゆっくりと、でも前向きに動きだすアマチュアバンドの物語。
バンドを取り巻くヒューマンドラマが交錯し、読んでいくうちに感情が昂るのがわかります。
彼らへの歓声や拍手が沸き起こるその瞬間、カタルシスが胸を打ち、静かに熱いものが心に刻まれる…そんな作品だと感じました。

✔音が”聴こえる”必見の演奏シーン

演奏に想いが合わさり、胸を打つんです
ロックバンドの漫画、という事でもちろんライブでの演奏シーンがバッチリあります。
が、その演奏シーンにまたひとつ驚きが!
日常では見せない磨音のリズミカルで激しい、まさにバンドマンになった姿のギャップにカッコよさが溢れています。
音が聴こえてくるような迫力のある演奏シーンは、美術的であり情緒的に語り掛けてき、「アルタゴ」がそこに生きていると感じさせてくれます。
一瞬のその刹那がエモーショナルであり、まさにライブの熱さを印象づけているように感じました。
これもまた、”没入”のポイントです。

まさに必見―――!!

✔取り巻くヒューマンドラマ

それぞれのドラマが交わりこみ上げる”熱”
読み進めていくうちに語られる登場人物たちの背景やドラマがこの作品の奥深さを決定づけています。
バンドマンであった父とギターセンスを持つ”磨音”と、所属するアマチュアバンド「アルタゴ」のメンバー”高瀬”と”日野”。
そして、この作品のヒロインとも言え、天性の歌声を持つ”夜祈子”。
それぞれに抱えるモノがあり、それを歌に載せて想いをぶちまける、まさにロック。
彼らと生きるドラマの数々が感情移入させ、曲に載せてぶつけられたとき、鳥肌がたちますね。

続きモノですが、ここから読んでも大丈夫。丁寧でゆっくりと語られるので全然入りこめますよ。
ぜひ手に取ってじっくり読んでいただきたいと思います。

静かに、綺麗にはじまる物語の奥底に眠るロックな題材が胸を打つ。
ぜひ推薦したいおすすめ漫画作品です!!

▼ 作品情報 ▼

空電の姫君

著者: 冬目景


(C)冬目景/講談社