囚われのお姫様は魔王城で快適生活を目指す!?『魔王城でおやすみ』原作の魅力!

魔王たちに囚われた姫…
それは辛い牢獄生活のはじまり…勇者ははやく助け出すために奔走中…
姫は…快適に生活するためにベッド改造計画…!?
行動力が光る姫の快適人質生活は叶うのか!?
囚われたスヤリス姫は、寝る事意外なにもすることがなく不満だった。
しかし魔王城の枕もベッドも質が悪くて安眠できない!
快適な人質生活を求めて、姫は安眠の材料を求めて魔王城を駆けまわる!
時には自ら、時には偶然伝説のアイテムを手に入れ…快適を追求していくのだ
そして、堂々と駆け回る姫を傷つけず、勇者が迎えにくるまでちゃんと面倒をみ…監視する魔物たち。
毎日、姫の暴走に手を焼きながら勇者の到着を待ち続けるのだ!

姫だけが退屈で仕方なく、のほほんと生活をするその様を描き続ける本作。
攻略に時間がかかる勇者たちの冒険の裏側はこんな日常が待っていたという
メタ的な面白さと姫が置かれている状況のギャップがなんともシュールで面白いコメディとなっています。

✔面倒見のいい魔物たち

毎日魔王城をかけまわる姫を前に、魔物たちは何もしない。
むしろそこは危ないとか、注意してくれるし面倒見がいい一面も。
姫に反してわりと親切な魔物たちは毎日振り回される!
何故か脱出しないしなんだかんだ快適に安眠する姫を見て、さらう姫を間違えたのではと困惑の様子も…

なにより勇者たちの戦闘バランスさえも気に掛けるのだ。
魔王って意外と紳士…なんて憎めない魔王軍…応援したくなりますね

✔かわいいデザインと丁寧な作画

本作のもうひとつの魅力は、絵本のようなかわいく柔らかい絵柄と丁寧な作画です。
魔王城の中という狭い世界の中で、ユニークな登場キャラクターや背景作画により見事にファンタジーの世界を広げています。
わかりやすいモチーフ、想像しやすいモンスター像は魔王城の文化を丁寧に表現していますね。

ある回では種族ごとのトイレの違いを紹介するなど、ギャグの中にも面白い設定を活かしています。
まさにファンタジーコメディといったところでしょうか。
サクッとテンポもよく読みやすいのも推せます。

▼ 作品情報 ▼

魔王城でおやすみ

著者:熊之股鍵次


(C)熊之股鍵次 / 小学館