死にたいと本心から願う者など誰もいない。死者の姿を見、声を聞く力を持つぼくと彼女には、痛いほどそれがわかるんだ。ぼく・松実優作(まつみ・ゆうさく)が出会った少女は、事故で失った兄のあとを追おうとしている。ぼくの彼女・時野(ときの)ゆかりが見つけた死者は、残された息子の行く末を案じて青い河を渡れずにいた。生者が死者を慕う気持ち、死者が生者を想う気持ちを、ぼくたちは心の底からなんとかしたいと願い続ける――。
死者が見える。その怯(おび)え、孤独が伝わってくる。そんな力を持ち、死者を救おうとする彼女に、力を貸したいと心から願…
死にたいと本心から願う者など誰もいない。死者の姿を見、声を聞く力を持つぼくと彼女には、痛いほどそれがわかるんだ。ぼく…
死は突然訪れる。本人も受け入れることができないままに……。おのれの死を認めず、「生」に強い執着を抱く死者は、彼女に強…
死んだら人は何処にいくのだろう? 「寒い」「暗い」「さみしい」――今日も彼女の前に現れる死者たちは、苦しみにもがきな…
愛されたい死者は人さし指が長い。「ひとりは怖い」死後も消えない孤独を、ゆかりは救うことができるだろうか?(『飛ぶ夢を…
万物の声が聞こえるのに、死んだ母の声だけが――。おのが力を厭う優作(ゆうさく)に、父の真実の叫びは届くのだろうか?(…
中2の冬に突然目覚めた「死」を見る力。まとわりつく死者たちの闇の波動が、その少女、杏子(きょうこ)をのみこんでいく……
死を告げる黒い影に、立ち向かう術のない杏子(きょうこ)。そして、死にたくないという妄執にとらわれた死者を救う手立ても…
死者を見る力を失った杏子(きょうこ)に狙いを定めた、黒い影の群れ。それは避けられない死を告げる呪い。「おまえの命はあ…
黒い死者の元凶を追って、死後の杏子(きょうこ)は夜の街をさまよう。一方、息子・優作(ゆうさく)は、死者が見える目を持…